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Case Study

開発事例:不動産目利きAI

人が何時間もかけて調べていた仕事を、AIに渡した事例です。物件を登録するだけで、根拠つきの結論と銀行に出せる資料が出るところまで作りました。

事例の種類業務システムの新規開発(Webアプリ・自社開発)
対象の業務不動産物件の投資判断・売却査定・融資資料の作成
解いた課題1件の物件を判断するのに数時間かかっていた調査・計算・資料作成
使った技術AIによる書類の読み取り/公的データの自動取得/独自の計算エンジン/レポートの自動組み立て
提供形態ブラウザで使うクラウド型。権限4段階・データ分離・自社ロゴ入りレポート出力に対応
現在の状況実運用での検証段階。実務で使いながら機能を追加しています
収益物件の判断にかかる調査の手間

課題:
判断そのものより、
調べものに時間がかかっていた。

物件資料に書かれている表面利回りだけでは判断できません。積算はいくらか、近隣で実際にいくらで成約しているか、返済後に手元にいくら残るか、出口でいくらで売れるか——調べる先はばらばらで、いずれも手作業でした。

さらに銀行に持ち込むには、根拠と出典を揃えた資料に組み直す必要があります。1件あたり数時間。その結果「見送り」となることも多く、判断が遅れて物件を逃すこともありました。

本当に時間を食っていたのは、判断ではなく判断の下ごしらえでした。ここを機械に渡せないかというのが、開発の出発点です。

Solution

作ったもの

物件を登録すると、所在地から公的データを自動で集め、4つの角度から価格を測り、20年分の収支を計算し、そのまま提出できる資料まで組み立てます。人が触るのは「登録する」と「結論を読む」だけです。

投資判定とレーダーチャートの画面
JUDGE

結論と、その根拠

判定を5段階で表示し、6つの軸(収益力・返済余力・資産性・価格妥当性・立地・出口)をレーダーチャートで可視化。各軸に「なぜその点数か」を併記しています。

20年キャッシュフローの画面
CASHFLOW

20年先までの収支

家賃の下落・空室の増加・大規模修繕・減価償却まで織り込んだ長期計算。前提値を画面で動かせば、その場で全体が再計算されます。

レポート出力画面
REPORT

そのまま提出できる資料

目利きレポート・売却査定書・融資申込書を出力。用語の解説ページを付け、社内でも金融機関でも説明できる形にしています。

画像をクリックすると拡大してご覧いただけます

Point

開発で工夫した点

動くものを作ることと、実務で信頼される数字を出すことは別問題でした。実際に手直しを重ねた箇所をご紹介します。

01

複数の書類を突き合わせて読む

登記簿・レントロール・物件資料を同時に読み込み、項目ごとに信頼できる出典を優先します(面積と築年は登記簿、価格は物件資料、賃料はレントロール)。食い違いは消さず、メモに残して人が判断できるようにしました。

02

比較対象の絞り込みで精度が変わった

近隣の成約事例をそのまま平均すると、規模や用途地域の違う物件が混ざって数字が歪みます。同じ構造・同じ規模・同じ用途地域だけを残す絞り込みを入れたところ、査定額が実勢に一致するようになりました。

03

地域差を統計から取り込む

建築費の目安を全国一律にすると都市部で大きく外れます。公的な建築統計から地域ごとの係数を算出し、標準値に掛ける方式にしました。手入力があれば必ずそちらを優先します。

04

データがない地域を隠さない

成約事例が少ない地域では査定の幅が広がります。それを黙って狭く見せず、画面に「事例が少ない」旨を明示しました。外部データの取得に失敗したときも、空欄ではなく失敗と表示する方針で統一しています。

05

使う人の計算方法を取り込んだ

実際に土地から新築を企画されている投資家の方の計算手法(坪単価ではなく一種単価で比較する、出口の利回りから逆算する)を伺い、そのままツールの計算に組み込みました。汎用の指標だけでは実務に噛み合いません。

06

やらないと決めたこと

会員制の不動産流通システムからの自動取得は、規約に反するため行いません。公開されているデータと、手元の書類の読み取りだけで成立させる設計にしました。できることより、やってよいことの線を先に引きました。

Data

自動で集めているデータ

種類出典何に使うか
不動産取引価格情報国土交通省 不動産情報ライブラリ近隣の実際の成約事例。価格の妥当性と売却査定の根拠。
地価公示国土交通省 不動産情報ライブラリ土地の評価額、地価の推移。
最寄駅・乗降客数国土交通省 不動産情報ライブラリ駅からの徒歩分数、立地評価。
住宅・土地統計調査政府統計(e-Stat)市区町村単位・間取り別の家賃水準。
建築着工統計政府統計(e-Stat)地域別の建築コスト水準。
宿泊旅行統計政府統計(e-Stat)宿泊運用時の客室稼働率の参考値。
住所・座標の変換国土地理院物件所在地の特定、周辺データの取得。

※いずれも公開されているデータを、各提供元の利用条件に従って取得しています。

Result

できるようになったこと

RESULT 01

調査が登録だけで終わる

書類を上げれば項目が埋まり、所在地から周辺データが自動で集まります。数時間かかっていた下ごしらえが、確認して保存するだけになりました。

RESULT 02

比較して選べるようになった

1件ずつ電卓を叩いていた頃は、そもそも横並びで比べられませんでした。同じ基準で計算されるため、検討中の物件を一覧で比較できます。

RESULT 03

資料作成が別作業でなくなった

判断のために計算したものが、そのまま提出資料になります。社内検討用・金融機関向け・オーナー提案用と、様式だけを切り替えて出力できます。

Apply

この形は、他の業務にも当てはまります

本事例は不動産を題材にしていますが、中身は3つの部品の組み合わせです。「時間がかかっているのは判断そのものではなく、判断するための下ごしらえ」という業務であれば、業種を問わず同じ形でお作りできます。

部品 01

資料を読み取って登録する

PDF・写真・帳票をAIが読み取り、項目に振り分けて登録。複数の資料で内容が食い違う場合は、優先する出典を決めて統合します。
応用例:申込書・見積書・検査報告書・受発注伝票の取り込み

部品 02

基準に照らして判断する

外部データや社内基準と突き合わせ、結論とその根拠を数値で示します。判断の重みづけは後から調整できます。
応用例:与信判断・仕入れ判断・リスク診断・案件の優先順位づけ

部品 03

説明できる資料にする

結論だけでなく、根拠・前提・出典を載せた資料を自動で組み立てます。社内用・提出用・お客様提案用と様式を分けられます。
応用例:稟議書・提案書・報告書・査定書

こうしたシステムの開発はAI開発事業で承っております。動く試作を最短2週間でお出しし、触っていただいてから作り込む進め方です。作るべきかどうかの判断からご一緒しますので、要件が固まっていない段階でもご相談ください。

FAQ

この事例についてよくいただくご質問

これはどのくらいの期間で作ったのですか?

最初に動くものが出るまでは数週間です。そこから実際の物件で試しながら、計算方法・画面・レポートを継続的に手直ししてきました。「作って終わり」ではなく、使いながら育てた形です。

同じような仕組みを、うちの業務でも作れますか?

作れます。判断のために情報を集め、基準に照らし、資料にまとめる——この形の業務であれば、扱う対象が何であっても同じ組み立てが使えます。まずどの業務に何時間かかっているかをお聞かせください。

AIが出した判断を、そのまま信じてよいのですか?

いいえ。本ツールは判断を代わりに下す道具ではなく、判断の材料を揃える道具として作っています。ゆえに結論には必ず根拠と前提を併記し、データが足りない場合はその旨を表示します。最終判断は必ず人が行う設計です。

計算方法や判定基準は変更できますか?

できます。実際に、使われる方の計算手法に合わせて重みづけや指標を追加してきました。御社の基準がすでにある場合は、それを組み込む形で開発します。

資料の様式を自社仕様にできますか?

できます。ロゴの差し込みは標準で対応しています。項目の追加、レイアウトの変更、新しい様式の追加もご相談ください。

このツール自体を使わせてもらえますか?

ご提供についても承っております。現在は実運用での検証を進めている段階ですので、ご関心をお持ちの方はお問い合わせよりご連絡ください。実際の画面をお見せしながらご説明します。

データや物件情報の扱いは安全ですか?

アカウント単位でデータを分離しており、他のご利用者様の情報は表示されません。社内でも、担当者には自分が登録した案件だけを見せる設定が可能です。

※本ツールが示す判定・査定額は参考情報であり、成果や価格を保証するものではありません。実際のご判断は専門家のご確認のうえで行ってください。

「うちの業務でも作れるか」を、一緒に見極めます

実物の画面をお見せしながら、御社の業務に当てはめられるかをその場でご相談いただけます。

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