「AIエージェントって結局どうやって作るの?」――そう聞かれて、すぱっと答えられる人はまだ多くありません。なぜなら、ひと口に「作る」と言っても、Pythonでガリガリ書く流派から、マウスでブロックを並べるだけのノーコード流派まで、選択肢がカオス気味に広がっているからです。本記事では、2026年5月時点の最新事情を踏まえつつ、中小企業の現場で実際にワークするAIエージェントの作り方を、ノーコード推し・コードも分かるエンジニアにも刺さる粒度で、ぜんぶ言語化していきます。読み終わる頃には「これなら自分でも触れそう」と思えるはずです。
- そもそもAIエージェントって何?チャットボットと何が違うのか
- AIエージェントの作り方を始める前に押さえる4つの準備ステップ
- AIエージェントの作り方は大きく3アプローチ。どれを選ぶべきか
- 【実践】ノーコードでAIエージェントを作る具体的6ステップ
- 中小企業のAIエージェント実装ユースケース3選
- AIエージェントの作り方で陥りがちな失敗5パターンと回避策
- PoCから本番運用までのロードマップ(4週間モデル)
- 外注すべきか、内製すべきか?判断基準
- 中小企業のAIエージェント構築なら「AIスミズミ」がスマートな選択肢
- AIエージェントの作り方に関するよくある質問
- まとめ:AIエージェントの作り方は「ノーコード×小さく始める」が正解
そもそもAIエージェントって何?チャットボットと何が違うのか

AIエージェント(AI Agent)とは、ざっくり言えば「目的を伝えると、必要なツールを自分で呼び出して、複数ステップの作業を最後までやりきってくれるAI」のことです。たとえば「先月の請求書をPDFで集めて、合計金額を表にして、Slackで経理に共有して」と依頼すると、ファイル検索→PDF読み取り→Excel化→Slack送信、までを一連で実行してくれる。これがエージェントです。
対してチャットボットは、基本的に「質問に答える1往復」のやり取りが中心。チャットボットとAIチャットボットの違いでも詳しく書いていますが、エージェントは「自律的に判断して動く」点が圧倒的に違います。Anthropicが提唱する「エージェント的能力(agentic capabilities)」の定義でも、外部ツールの呼び出しや多段思考の自動化が中核とされています(参考: Anthropic公式「Building Effective Agents」)。
2026年現在、生成AIの実用領域は単発回答型からエージェント型へと急速にシフトしています。IPAの「DX白書」でも、企業のAI活用ニーズは「コンテンツ生成」から「業務プロセス自動化」へ移行傾向にあると言及されています(参考: IPA DX白書)。つまり、AIエージェントを作れる=業務改善の即戦力、というわけです。
AIエージェントの作り方を始める前に押さえる4つの準備ステップ

いきなりツールを開いて作り始めるのは、地図を持たずに山に登るようなものです。事前にここだけは押さえておきましょう。
準備①:誰の・どの業務を・どれだけ楽にするのかを1行で書く
「経理担当の月次締めの工数を50%削減する」「営業の問い合わせ一次対応を24時間化する」など、対象者・対象業務・成果指標を1行で書き出します。これが書けないままだと、後で「で、何のために作ったんだっけ?」と迷子になります。AIエージェントの作り方で一番つまずきやすいのは技術ではなく、この目的設定の曖昧さです。
準備②:作業手順を人間用に分解する
その業務を、新人アルバイトに教えるつもりで紙に書きます。「①メール受信→②内容判定→③担当者にSlack通知→④CRMに記録」のように、人が頭の中でやっている処理を全部外に出すのがポイント。AIエージェントは、ここで書き出した手順を“まねる”ことしかできないので、ここの解像度が成果物の品質を決めます。
準備③:知識(ナレッジ)の置き場所を決める
社内マニュアル、商品カタログ、過去のFAQ。これらをエージェントに参照させる場合、PDF・Word・Notion・Googleドキュメントなどから「正本」を1つ決めます。複数の場所に同じ情報が散在していると、エージェントが古い情報を引用して恥をかきます。あるあるです。
準備④:連携したい外部ツールをリスト化する
Slack、Gmail、kintone、HubSpot、Googleカレンダー、自社の在庫DB……エージェントから操作したいツールを書き出します。APIが公開されているか、認証方式(OAuth/APIキー)はどうかをざっくり確認しておくと、後段で「あ、これ繋がらないやつだ」となるリスクが減ります。
AIエージェントの作り方は大きく3アプローチ。どれを選ぶべきか

「AIエージェント 作り方」で検索すると、いきなりPythonコードが出てくる記事も多いですが、実は作り方は大きく3つに分かれます。自社のリソース・スピード・カスタマイズ性で選びましょう。
アプローチA:フルコード型(Python+LangChain/LangGraph)
OpenAI Assistants APIやLangChain、LangGraphといったライブラリを使い、自分でガリガリ実装するスタイルです(公式: LangChain、OpenAI Assistants API)。自由度は最大ですが、当然エンジニアリングスキルが要ります。社内にPythonを書ける人材がいて、独自のロジックや既存システムとの密結合が必要なら有力候補です。逆に、たった1〜2人の現場担当者が業務改善のために作りたい、というシーンではオーバースペックになりがちです。
アプローチB:フレームワーク型(Mastra/Vercel AI SDKなど)
TypeScriptベースのMastra、Vercel AI SDKなど、Web開発者にとって書きやすい中間レベルの選択肢です。フルスクラッチよりは楽だが、ノーコードよりは自由度が高い。社内に「フロントエンドはやれるんだけどPythonはちょっと…」というメンバーがいる場合に意外と刺さります。
アプローチC:ノーコード/ローコード型(最有力候補)
ブラウザ上でブロックを並べるだけで、LLM呼び出し・ナレッジ検索・条件分岐・外部API連携までを構築できるノーコードAI構築プラットフォームを使うやり方。代表例として、オープンソースで国内導入が急増しているDifyのようなツール群があります。Difyとは何か?でも詳しく解説していますが、PoCから本番運用まで最短ルートで進めたい中小企業にとって、現状ベストの選択肢と言って差し支えありません。コードを書かずに済むぶん、企画から運用までを現場担当者主導で回せます。
結論として、よほどの理由がない限り、最初の1体はノーコード型で作るのがおすすめ。「動くものを2週間で出す→現場で叩く→改善」というサイクルが圧倒的に回しやすいからです。
【実践】ノーコードでAIエージェントを作る具体的6ステップ

ここからは、ノーコード型のAI構築プラットフォームを前提に、エージェント作成の手順を6つに分けて具体的に見ていきます。ツールはDifyを想定していますが、n8n+AI連携、Make、Zapier AI Actions、Power Automate+Copilot Studioなどでも考え方はほぼ同じです。
STEP1:ユースケース定義(所要15分)
準備フェーズで書いた1行を、もう少し噛み砕きます。「インプット(何を受け取る)/プロセス(どう処理する)/アウトプット(何を出す)」のIPOで整理。たとえば「インプット:問い合わせメール/プロセス:内容を3カテゴリに分類し回答案を作成/アウトプット:担当者にSlack通知+下書きをGmailに保存」のように。
STEP2:トリガー設計(所要15分)
「どうやって動き出すか」を決めます。チャット欄からの入力なのか、メール受信をフックにするのか、毎朝9時の定刻実行か、Webhook経由か。トリガー設計を間違えると、せっかく作ったエージェントが「誰にも呼び出されないかわいそうな子」になります。
STEP3:ナレッジベース構築(所要30分〜2時間)
社内の参照資料をアップロードし、検索可能な状態にします。ノーコード系プラットフォームの多くは、PDF・Word・MarkdownのドラッグアンドドロップでベクトルDBに変換してくれるので、ここは技術的にはほぼ詰まりません。詰まるとしたら「どのファイルを入れるか」の取捨選択。鮮度の落ちた資料を入れないこと、機密度の高い情報の扱いを社内で決めておくこと、この2点が肝です。
STEP4:ワークフロー組み立て(所要1〜3時間)
いよいよエージェントの中身を組みます。一般的な構成は次のとおりです。
- 開始ノード:入力を受け取る
- 分類ノード:LLMで意図を判定(例:問い合わせ/クレーム/資料請求)
- 分岐ノード:分類結果ごとに処理を切り替え
- 知識検索ノード:ナレッジから関連情報を取得
- LLMノード:取得情報をもとに回答案を生成
- 外部API実行ノード:Slack通知、CRM登録などの実アクション
- 終了ノード:結果を返す/ログを残す
初めての場合は、まず「分類→知識検索→LLM回答」のシンプル3段構成からスタートして、徐々に枝を増やすのがコツです。最初から全部入りにすると、デバッグで地獄を見ます。
STEP5:プロンプト設計(所要1〜2時間)
各LLMノードに与えるプロンプトを書きます。コツは①役割(あなたは○○のアシスタント)/②目的/③制約(絶対にやらないこと)/④出力形式の4要素を必ず入れること。たとえば「あなたは中小企業の総務担当アシスタントです。社員からの問い合わせを、就業規則PDFの内容に基づいて回答してください。推測で答えず、根拠が見つからない場合は『担当者に確認します』と返答してください。回答は300字以内、敬語で」のように。
STEP6:テスト&チューニング(所要2〜5時間)
10〜30件のテストケースを用意し、想定通りに動くか確認します。ここで重要なのは「ハッピーパス」だけでなく、わざと曖昧な質問・誤字脱字・想定外の入力もぶつけること。エラー時の挙動を確認しておかないと、本番でユーザーに変な回答を返してしまいます。問題があればプロンプトを書き直し、ナレッジを足し、ワークフローを修正、を回します。
ここまでで、ざっくり半日〜1日。慣れれば「思いついた業務改善を、その日のうちに動くエージェントにする」ことが現実的になります。これが、AIエージェントの作り方をノーコードで学ぶ最大のメリットです。
中小企業のAIエージェント実装ユースケース3選

「で、具体的に何を作ると効くの?」という疑問に応える形で、実装難度が低く、効果が見えやすい3つのユースケースを紹介します。AIで業務効率化する方法でも触れていますが、最初の1体は「短時間で効果が分かる業務」を選ぶのが鉄則です。
①社内FAQ/問い合わせ一次対応エージェント
社員からの「経費精算ってどうやるんですか」「有給申請の締め切りいつでしたっけ」を24時間捌くエージェント。総務・経理の電話/チャット対応を月20〜40時間削減、というのが現場の肌感です。ナレッジに就業規則・経費規程・社内マニュアルを入れて、Slack連携するだけ。実装難度は最も低く、最初の1体に最適です。
②問い合わせフォームの自動振り分け+一次返信エージェント
Webサイトの問い合わせを内容ごとに自動分類し、担当部署にSlack通知、かつ送信者にはAIが書いた一次返信メールを下書きとして用意する。営業のリードレスポンス時間が桁で縮まるので、商談化率に直接効きます。CRMやMAツール連携まで含めれば、見込み顧客のスコアリングまで自動化可能。
③日報・週報・議事録の自動要約&ToDo抽出エージェント
会議の文字起こしテキストや、各メンバーの日報を放り込むと、要点・決定事項・ToDo・担当者・期限を構造化して返してくれるエージェント。「読む」「まとめる」「指示を切る」のコストが激減するので、マネジメント層の体感価値が高く、社内の支持が広がりやすいユースケースです。
AIエージェントの作り方で陥りがちな失敗5パターンと回避策

ここまで読んでくれた方なら気付いていると思いますが、AIエージェントの作り方は「ツール」ではなく「設計」が9割です。よくある失敗パターンを5つ、まとめておきます。
失敗①:欲張りすぎてスコープが膨らむ
「営業も総務も経理も全部やらせよう」と詰め込んだ結果、どれも中途半端で誰も使わない、というやつ。回避策は「1エージェント1業務」を最初のルールにすること。複数業務を捌きたければエージェントを複数並べる、もしくは“親エージェントが子エージェントを呼ぶ”構造に分割します。
失敗②:ナレッジが古い/間違っている
「就業規則の更新を2年前に反映していなかった」ようなケース。エージェントは堂々と古い情報で答えるので、社員からの信頼を一発で失います。ナレッジの更新フローを人間側のオペレーションとして決めておくのが必須です。月1回の棚卸し担当を明確に。
失敗③:ハルシネーション(もっともらしい嘘)を放置
LLMは知らないことを聞かれても、それっぽい回答を生成してしまう性質があります。プロンプトに「根拠が見つからない場合は『分かりません』と返す」と明示し、参照したナレッジ箇所を回答に併記させる設計が有効。これだけで体感のウソ率が劇的に下がります。
失敗④:機密情報の扱いを決めずに本番投入
顧客情報や個人情報をナレッジに入れる前に、利用するLLMの学習利用ポリシーとデータ保管リージョンを確認しましょう。OpenAI APIやAnthropic APIなど主要LLMはオプトアウト設定で学習に使わない運用が可能ですが、それでも社内ポリシーとして「ここまでは入れていい/ここからはダメ」のラインを文書化しておくべきです。総務省「AIガイドライン」も参考になります。
失敗⑤:作って終わり、運用設計がない
誰がログを見るのか、回答品質をどう測るのか、改善サイクルをいつ回すのか。これらが決まっていないと、半年後には誰にも使われない置物になります。リリース時点で「月1回、ログ100件抜き取りレビュー」くらいの軽い運用設計を入れておきましょう。
PoCから本番運用までのロードマップ(4週間モデル)

「結局、何週間で動くものができるの?」によくお答えしているスケジュール感を共有します。ノーコード型・初めて作るチーム想定で、所要は4週間です。
- Week1(要件定義):対象業務の選定、IPO整理、ナレッジ棚卸し、成功指標の合意
- Week2(プロト構築):ワークフロー組み立て、プロンプト初稿、10件のテストケースで動作確認
- Week3(社内ベータ):5〜10名で実利用、毎日ログレビューしてプロンプト・ナレッジを修正
- Week4(本番リリース):全社案内、運用担当者の決定、効果測定の仕組みを敷く
Week5以降は月次運用フェーズ。一気に複数エージェントを増やすよりも、まず1体を磨き、社内に「AIエージェントってこういうものか」というリテラシーを育てるほうが結果的に早道です。Difyの使い方ガイドでは、もう一歩踏み込んだ操作手順も解説しているので、Week2〜3で参考にしてみてください。
外注すべきか、内製すべきか?判断基準

「AIエージェント 作り方を覚えるべきか、外注すべきか」もよく聞かれます。判断軸はシンプルで、次の3つです。
- 頻度:今後、社内で複数のエージェントを継続的に作っていく予定か?YESなら内製化の価値あり
- 担当者:プロンプトとExcelの関数くらいなら触れる人がいるか?YESなら社内で十分回せる
- 機密度:扱うデータが極めて機密性が高いか?YESなら設計段階だけでも外部の専門家を入れるのが安全
多くの中小企業さんでは「初回はパートナーと一緒に設計、2体目から内製」が、最も総コストが安く済むパターンです。完全に丸投げにすると、運用フェーズで動かせなくなるリスクが高いのでおすすめしません。
中小企業のAIエージェント構築なら「AIスミズミ」がスマートな選択肢

ここまでお読みいただき、「自分たちでも作れそうだけど、最初の1体は伴走してほしい」と感じた方も多いはずです。デジタルレクリムが提供するAIスミズミは、中小企業向けに設計されたAIエージェント/AIチャットボット構築サービスで、要件定義から本番運用、内製化支援までを一気通貫でサポートします。「自社のどの業務から手をつけるべきか」のヒアリングから始められるので、まだ手探りの段階でもお気軽にどうぞ。AIサービス一覧はこちらもぜひご覧ください。
AIエージェントの作り方に関するよくある質問


Q1. ノーコードで作る場合、月額いくらかかりますか?

ノーコードAI構築プラットフォーム自体の利用料は無料〜数万円/月程度、加えてOpenAIやAnthropicなどLLMのAPI従量課金が発生します。社内で1業務に絞って使う場合、ツール代+API代で月額1〜3万円程度に収まるケースが多いです。利用量が読みづらいうちは、月の利用上限を設定しておくと安心です。

Q2. プログラミング未経験でも作れますか?

ノーコード型なら作れます。Excelの関数が書ける、業務フローを言葉で説明できる、この2つができれば十分です。むしろ「業務理解+言語化能力」のほうが、コーディングスキルより重要です。

Q3. どのLLM(GPT-5、Claude、Geminiなど)を選べばいいですか?

2026年時点では、業務系の長文要約・ツール呼び出しはAnthropic Claudeシリーズ、汎用性とコストバランスはOpenAI GPTシリーズ、Google系サービス連携はGeminiが優位、という大まかな住み分けがあります。1つに絞らず、ノードごとに使い分けられるツールを選ぶと長く戦えます。

Q4. AIエージェントとAIチャットボットはどう使い分けますか?

1問1答で完結する用途はチャットボット、複数ステップ・外部ツール操作が必要ならエージェント、というのが目安です。詳しくはAIチャットボットの種類比較を参照してください。

Q5. 社内データを学習に使われたくないのですが大丈夫ですか?

主要なLLM APIは、デフォルト or オプトアウト設定で「APIに送信されたデータをモデル学習に使用しない」運用が可能です。ただし無料の一般向けチャット製品(無償版ChatGPTなど)は学習対象となる場合があるので、業務利用は必ず有料API/企業向けプランで行うのが鉄則です。
まとめ:AIエージェントの作り方は「ノーコード×小さく始める」が正解

AIエージェントの作り方を整理すると、結論はとてもシンプルです。①目的を1行で書く、②作業手順を分解する、③ノーコードで6ステップを回す、④失敗5パターンを避ける、⑤4週間ロードマップで本番化する――この流れを、まずは1業務で完遂してみてください。一度作ってしまえば、2体目・3体目は驚くほど短時間で出来上がります。基礎からわかるAIの使い方と合わせて読むと、社内のAIリテラシー全体を底上げできます。
「自社の業務にあてはめると、具体的にどう設計すべきか分からない」「最初の1体だけ伴走してほしい」という方は、ぜひAIスミズミのヒアリングを試してみてください。中小企業の現場でワークするAIエージェントを、最短で立ち上げます。お問い合わせはこちらのお問い合わせフォームから、お気軽にどうぞ。


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