生成AIの普及とともに、AI関連資格は急速に増えました。しかし、「AI資格を取ればAIの専門家になれる」と考えるのは早計です。経営者が求めるのは投資判断やガバナンスの知識であり、DX推進担当者にはAI・データ活用の全体像が必要です。現場利用者には、安全に生成AIを使うためのルールと基礎リテラシーが求められます。
本記事では、2026年に注目したい6つのAI資格を、経営者・企業担当者・Webマーケターが「自社で何を実現したいか」から選べるように比較します。結論からいえば、資格名や難易度ではなく、①経営判断、②全社の共通言語、③クラウドを含む実務基礎のどれを求めるのかで選ぶことが大切です。
本記事は2026年9月11日時点の公式情報を基にしています。 試験日程、料金、問題数、提供言語、受験形式は変更される可能性があるため、申込時には必ず公式ページをご確認ください。
- 目的別に選ぶならこの資格
- AI資格を取る意味はあるのか?
- AI資格は「難易度」より「役割」で選ぶ
- 2026年版:おすすめAI資格6選の比較表
- 1. Generative AI Leader|生成AIをビジネスで判断するリーダーへ
- 2. AWS Certified AI Business Strategist|AI投資を事業の言葉で考える
- 3. G検定|AI・データ活用を広く体系化する定番資格
- 4. AWS Certified AI Practitioner|AWS上のAI活用を理解する基礎認定
- 5. Azure AI Fundamentals(AI-901)|Microsoft環境のAI基礎から実装領域へ
- 6. 生成AIパスポート|安全な生成AI利用の「最初の一枚」
- 結局どれがおすすめ?目的別ランキング
- 資格取得を導入成果につなげる3つの進め方
- AI資格に関するQ&A
- デジタルレクリムとしての取り組み
- まとめ|AI資格は「何を証明したいか」で選ぼう
目的別に選ぶならこの資格

| 目的 | まず検討したい資格 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| AI投資・ROI・ガバナンスを経営会議で議論したい | AWS Certified AI Business Strategist | ユースケース評価、ビジネスケース、責任あるAI、全社展開を扱う |
| Google Cloudを前提に生成AIの事業活用を考えたい | Generative AI Leader | 非技術職も対象に、生成AI活用と統制を学べる |
| AI・データ活用を体系的に理解したい | G検定 | AI、ディープラーニング、データ、法律・倫理まで広く扱う |
| 全社員の安全な生成AI利用をそろえたい | 生成AIパスポート | 情報漏洩、権利侵害、ハルシネーションなどを扱う |
| AWSを使う現場の基礎力を整えたい | AWS Certified AI Practitioner | AWS上のAI・機械学習・生成AIの基礎を確認できる |
| Azure/Microsoft FoundryでAI活用を進めたい | Azure AI Fundamentals(AI-901) | Azure AIの概念に加え、AIソリューションの実装領域を含む |
AI資格を取る意味はあるのか?

AI資格は、導入成功や売上向上を保証するものではありません。成果は、解くべき業務課題、データの状態、現場の運用、KPI、経営者の意思決定によって決まります。それでも学ぶ意義があるのは、AIを「便利なツール」ではなく、事業に影響する仕組みとして捉えられるようになるからです。
資格学習を通じて、機械学習、生成AI、データ、セキュリティ、著作権、個人情報、AIガバナンスを体系的に整理できます。ベンダーからPoC(概念実証)を提案されたときにも、何を検証するのか、どのKPIを追うのか、情報管理をどう設計するのかを社内で議論しやすくなります。資格はゴールではなく、導入時の判断の質を上げるための共通言語です。
AI資格は「難易度」より「役割」で選ぶ

資格選びでは、「有名だから」「やさしそうだから」という基準だけでは不十分です。経営者・事業責任者には、コードを書く力よりも、AIを使う業務を選び、投資対効果とリスクを判断し、組織に展開する力が求められます。この役割なら、Google CloudのGenerative AI Leaderや、AWS Certified AI Business Strategistが候補です 。
DX推進、経営企画、マーケティング、営業企画など、部門横断でAI活用を進める人には、AIとデータ活用の全体像を扱うG検定が向いています 。全社員の安全利用を先に整えるなら、生成AIパスポートが有力です 。自社のクラウド環境に合わせる場合は、AWSならAWS Certified AI Practitioner、AzureならAzure AI Fundamentals(AI-901 )を検討しましょう。
2026年版:おすすめAI資格6選の比較表

以下の星評価は各資格団体の公式評価ではありません。デジタルレクリム編集部が、経営者・企業担当者にとっての取り組みやすさ、意思決定への近さ、実務との接続のしやすさを相対的に整理したものです。

| 資格 | 初心者向き | 経営者向き | 実務との近さ | 難易度の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Generative AI Leader | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| AWS Certified AI Business Strategist | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| G検定 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| AWS Certified AI Practitioner | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| Azure AI Fundamentals(AI-901) | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 生成AIパスポート | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
この表は星の多さを競うためのものではありません。経営向けの資格を開発者の実装力の証明に使ったり、クラウド寄りの資格を全社員に一律で課したりすると、目的から外れる可能性があります。対象者と到達点を先に決め、資格を後から当てはめる順序が基本です。
1. Generative AI Leader|生成AIをビジネスで判断するリーダーへ

Generative AI Leaderは、Google Cloudが提供する、生成AIをビジネスにどう活かすかを学ぶ認定です。技術経験を問わず、マネージャー、管理者、戦略リーダーなどの非技術職も対象とされています。AIを「作る人」ではなく、活用する業務を選び、導入の方向性を判断する人に向いた資格です。
公式の試験範囲には、生成AIによる企業変革、Google Cloudの生成AIサービス、モデル出力の改善、ビジネス戦略に加え、責任あるAI、安全性、プライバシー、ガバナンス、効果測定が含まれます。試験は90分、50〜60問の多肢選択式で、前提資格はありません。受験料は99米ドル(税別)で、日本語に対応しています。詳細は公式試験ガイドで確認できます 。
ただし、クラウドに依存しないAI経営一般の資格と捉えるのは正確ではありません。Google Cloudの生成AIサービスを前提にした内容を含むため、Google Cloudを利用中、または比較検討している企業ほど、自社の意思決定に結び付けやすいでしょう。
2. AWS Certified AI Business Strategist|AI投資を事業の言葉で考える

AWS Certified AI Business Strategistは、AI投資の評価、ユースケースの選定、ROIを含むビジネスケース、責任あるAIのガバナンス、パイロットから全社展開への拡大を扱う認定です。AWSサービスを実装できるかではなく、AI施策をどう評価し、組織で前に進めるかを問う点が特徴です。
対象者には、事業部門リーダー、プロダクト・プログラムマネージャー、営業、事業開発、コンサルタント、アナリスト、マーケターなどが例示されています。コーディングやAWS実装の経験、他のAWS認定は必須ではありません。
2026年9月11日時点ではベータ試験として案内され、試験の提供開始は同年9月29日です。ベータ仕様は170分・85問、受験料50米ドルで、日本語に対応しています。ここで注意したいのは、この170分・85問はベータ試験の仕様であることです。公式試験ガイドでは、正式提供後の標準試験は試験時間130分、標準価格100米ドルと案内されています。申込時にはベータと標準試験を混同せず、AWSの認定ページと公式試験ガイドで最新の仕様を確認してください 。
経営者にとっての価値は、AIを「流行のツール導入」から「事業投資の意思決定」に戻せることです。どの顧客課題を解くのか、どのKPIを改善するのか、リスクとガバナンスをどう設計するのか。その問いを社内で共有する土台になります。
3. G検定|AI・データ活用を広く体系化する定番資格

G検定は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する資格です。AI・ディープラーニングの基礎知識を持ち、適切な活用方針を決めて事業に活かす力を問います。国内のAI資格として説明しやすく、経営企画、DX推進、マーケティング、営業企画、情報システムなど、幅広い職種で検討しやすい点が特徴です。
生成AIだけでなく、AI・機械学習・ディープラーニング、データの扱い、法律・倫理・社会的課題まで視野を広く持てます。2026年の公式案内では、オンライン試験は100分・145問程度、会場試験は120分・145問程度です。受験資格はなく、一般の受験料は13,200円(税込)、試験は日本語表記です。古い紹介記事には異なる問題数や試験時間も見られるため、受験前にはG検定の公式案内と公式FAQを確認しましょう 。
G検定は、経営者が単独で取るよりも、DX推進責任者や部門のAI推進担当者が学び、その知識を施策設計に持ち込む場面で力を発揮しやすい資格です。
4. AWS Certified AI Practitioner|AWS上のAI活用を理解する基礎認定

AWS Certified AI Practitionerは、AWS上のAI、機械学習、生成AIの概念やユースケース、責任あるAI活用に関する基礎知識を対象にしたFoundationalレベルの認定です。AI/MLソリューションを必ずしも構築しない、クラウド、開発、データ、IT、AI、業務部門の担当者が想定されています。
試験は90分で、採点対象50問と未採点15問の計65問です。特定の前提資格はなく、日本では受験料15,000円/回(税が適用される場合があります)と案内されています。日本語で受験でき、範囲は公式試験ガイドで確認できます 。
AWSを使う企業における「AIの共通基礎」として有効です。ただし、アーキテクトやAIエンジニアの専門性を単独で評価する資格ではありません。事業部門とIT部門をつなぐための基礎知識として捉えるとよいでしょう。
5. Azure AI Fundamentals(AI-901)|Microsoft環境のAI基礎から実装領域へ

Azure AI Fundamentals(AI-901)は、Microsoft AzureにおけるAIワークロード、機械学習、コンピュータービジョン、自然言語処理、生成AIを扱う資格です。2026年の公式試験ガイドでは、AIの概念・機能に加え、Microsoft Foundryを使用したAIソリューションの実装が大きな比重を占めています。
そのため、AI-901を非技術の経営者だけのための入門資格と理解するのは危険です。公式には、AIソリューション開発のキャリア初期の人が想定され、Azure AIの概念、基礎的な技術スキル、Pythonの構文・プログラミング技法、Azureリソースの知識が挙げられています。Azure/Microsoft 365を中心に業務環境を整え、AIアプリやエージェントの活用まで視野に入れる企業の担当者に向く資格です。
日本語での受験に対応し、日本を選択した公式試験ページの表示価格は99米ドル(税別)です。合格点は700点です。試験改訂もあるため、申し込み前にはAI-901の公式試験ページと公式学習ガイドを確認してください 。
6. 生成AIパスポート|安全な生成AI利用の「最初の一枚」

生成AIパスポートは、生成AIの基礎知識、動向、活用方法に加え、情報漏洩、権利侵害などのリスクを予防するためのリテラシーを扱う資格です。AI初心者を主な対象とし、企業・人材に必要な安全な生成AI活用の知識を可視化・標準化することを目的にしています。
試験はオンラインIBT方式で、60分・60問、四肢択一式を中心に一部複数選択を含みます。受験資格はなく、パソコン、スマートフォン、タブレットなどから受験できます。一般の受験料は11,000円(税込)、学生は5,500円(税込)で、資格は無期限です。年間日程や団体受験の条件は、生成AIパスポートの公式試験案内と公式FAQで確認できます 。
生成AIの仕組みを技術的に深掘りするより、現場で起きやすい事故や誤解を減らすことに強みがあります。顧客情報を入力してよいのか、生成物をそのまま使ってよいのか、もっともらしい誤情報をどう見抜くのか。こうした論点をそろえたい企業に適しています。
結局どれがおすすめ?目的別ランキング

以下は資格の優劣ではなく、最初に学ぶ一つを選ぶための編集部の提案です。
| 対象 | 1位 | 2位 | 3位 |
|---|---|---|---|
| 経営者・事業責任者 | AWS Certified AI Business Strategist | Generative AI Leader | G検定 |
| 生成AI初心者・全社研修 | 生成AIパスポート | AWS Certified AI Practitioner | G検定 |
| AI推進・Webマーケティング担当 | G検定 | Generative AI Leader | AWS Certified AI Practitioner/AI-901 |
経営者には、AI投資、ROI、ガバナンス、全社展開を考える視点が必要です。全社研修では、安全利用の最低基準を整えることを優先します。AI推進担当には、AI・データ活用の全体像と、自社のクラウド環境に応じた実務知識が求められます。役割ごとに資格を組み合わせるほうが、全員に同じ試験を課すより合理的です。
資格取得を導入成果につなげる3つの進め方

第一に、学習対象と到達目標を分けましょう。経営層には投資判断・ガバナンス、推進担当には業務設計・データ活用、現場利用者には安全利用というように、役割ごとに必要な知識は異なります。
第二に、資格学習と同時に、試す業務テーマを一つ決めます。Webマーケティングなら、記事構成案の作成、広告文のたたき台、問い合わせ分類、アクセス解析の要約などです。学んだ知識を実際の業務フローに反映すれば、資格取得が抽象論で終わりません。
第三に、人の確認を前提にしたルールをつくります。事実確認、著作権・商標、顧客情報、ブランドトーンは、人が責任を持つ領域です。AIに任せる工程と人が承認する工程を分け、改善できる運用にしましょう。デジタルレクリムでは、AIを活用した業務・集客支援を通じて、こうした「使える仕組み」づくりを支援しています。
AI資格に関するQ&A


Q1. AI資格を取れば、AI導入を成功させられますか?

いいえ。資格は導入成功を保証しません。成果は、課題設定、データ、運用体制、KPI、現場への定着で決まります。ただし、何を確認し、どんなリスクを管理すべきかを理解できるため、導入判断の質を高める基礎になります。

Q2. 経営者本人が取るべきですか?

必須ではありません。重要なのは、意思決定者がAIの可能性と限界、投資対効果、ガバナンスを理解し、社内に推進役がいることです。経営者にはGenerative AI LeaderやAWS Certified AI Business Strategist、推進担当にはG検定、全社利用者には生成AIパスポートという分担が現実的です。

Q3. 非エンジニアでも受験できますか?

できます。Generative AI Leader、AWS Certified AI Business Strategist、G検定、AWS Certified AI Practitioner、生成AIパスポートは、特定の前提資格なしで受験できます。ただし、AI-901はAzure AIやPythonの基礎知識が想定されるため、非技術者は学習時間を多めに見積もりましょう。

Q4. G検定と生成AIパスポートはどちらを先に選ぶべきですか?

生成AIの安全利用を急ぐなら生成AIパスポート、AI・ディープラーニング・データ活用まで広く理解したいならG検定です。短期的な業務利用の安全性を優先するか、中長期のAIリテラシーを優先するかで選びましょう。

Q5. AWSとAzureの資格は、どちらを選べばよいですか?

原則として自社のクラウド環境に合わせます。AWSを主に利用しているならAWS Certified AI Practitioner、AzureやMicrosoft FoundryでAIソリューションを検討するならAI-901が自然です。環境が未定なら、先にG検定や生成AIパスポートで共通リテラシーを整える方法もあります。

Q6. 社内研修に取り入れるときの注意点は?

全員に同じ資格を課すのではなく、職種・権限・業務で分けることが重要です。合格人数だけをKPIにせず、研修後に「どの業務で試すか」「誰がレビューするか」「どの情報を入力してよいか」を決め、実務の改善指標と結び付けましょう。
デジタルレクリムとしての取り組み

AI活用を支援する企業として、デジタルレクリムでも、知識をツール紹介で終わらせず、体系的に深めることを大切にしています。
当社ではすでに、生成AIの基礎知識や活用、リスクについて体系的に学ぶ「生成AIパスポート」を取得しています。さらに今後は、生成AIをビジネスで活用するための判断力を磨くため、Generative AI Leaderの取得を検討しています。
学習の進捗、イベント参加、受験、取得後の実務への落とし込みについても、できる範囲で本ブログで共有していく予定です。
AIを使うための知識と、成果につなげるWebマーケティングの設計を両立させたい方は、デジタルレクリムのAIサービスをご覧ください。
まとめ|AI資格は「何を証明したいか」で選ぼう

経営・投資判断を学ぶならAWS Certified AI Business Strategist、Google Cloudを前提とした生成AI活用ならGenerative AI Leader、AI・データ活用を広く学ぶならG検定、安全な生成AI利用の第一歩なら生成AIパスポートが候補です。AWSやAzureを使う企業では、AWS Certified AI PractitionerやAI-901も有効です。
資格名ではなく、誰が、どの業務で、どのレベルの判断をするために学ぶのかを起点にしてください。そうすれば資格取得は単なる肩書きではなく、AI導入の質を高める投資になります。
私として、これからの経営者とWebマーケターに必要なのは、「AIを使えること」そのものより、AIで速くなった仕事を、顧客価値と事業成果にどう変えるかを設計する力だと考えます。
生成AIを使えば、記事案、広告文、分析メモ、提案書のたたき台は以前より速くつくれます。しかし、速く作れることと、選ばれるコンテンツや成果の出る施策を作れることは同じではありません。誰に何を届けるのか、どの検索意図や顧客課題に応えるのか、ブランドとして何を約束するのか。そこを決めるのは、今も人です。
だからこそ、AI資格は「流行に乗っている証明」ではなく、AIに任せる範囲と人が責任を持つ範囲を見極めるために使うべきです。資格で得た共通言語を、小さな検証、適切なルール、改善の積み重ねにつなげる企業が、AI時代のマーケティングで着実に強くなるはずです。























コメント