「社内研修をeラーニングにしたいが、どう作ればよいか分からない」「市販のサービスを試したが、自社のやり方に合わなかった」というご相談をいただくことが増えました。
この記事では、eラーニングを作成する3つの方法を比べたうえで、弊社が実際に自社開発したeラーニングシステム「まなびパスポート」の画面と作り方をご紹介します。最後に、同じ仕組みを社内研修やマニュアル教育に使う手順もまとめました。
eラーニングを作成する3つの方法
eラーニングを作成する方法は、大きく分けて次の3つです。どれが正解ということはなく、教材の量、受講する人数、どこまで自社の運用に合わせたいかで選び方が変わります。
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 市販のeラーニングサービス(LMS)を契約する | 早く始めたい。一般的な研修(ビジネスマナー等)を配信したい | 画面や機能は用意された範囲から選ぶ。教材を自社で作る手間は残る |
| 作成ツールで教材を作り、既存の仕組みに載せる | 社内にすでに学習の仕組みがあり、教材だけを増やしたい | 学習記録やテストの形は、載せる先の仕組みに左右される |
| 自社専用のシステムを開発する | 学ぶ順番・テストの形・記録する項目を自社の運用に合わせたい。教材とデータを手元に持ち続けたい | 最初に「何を学ばせ、何を記録するか」を決める必要がある |
多くの会社にとって、最初の一歩は市販のサービスで十分です。一方で、「自社の業務知識を、自社の順番で、確実に身につけてもらいたい」という目的がはっきりしている場合は、自社専用で作る方が話が早いこともあります。業務システムを自社専用で作る進め方や費用の考え方は、業務システム開発とは?とシステム開発の費用相場で詳しく解説しています。
実例:弊社が自社開発したeラーニングシステム
ここからは、弊社が自社で開発し、実際に使っているeラーニングシステム「まなびパスポート」をご紹介します。資格試験の学習のために作ったもので、現在は生成AIの基礎・G検定・宅地建物取引士の3コース(45レッスン・問題1,431問)を載せています。AIに関する資格の選び方はおすすめAI資格の比較でまとめています。

※画面の氏名・学習記録は説明用の架空のものです。
作ろうと思った理由
資格の勉強でつまずくのは、内容の難しさよりも「続かないこと」でした。テキストは重く、問題集は解きっぱなし。どこまで進んだのか、何が苦手なのかが見えないまま、試験日が近づいてきます。
学ぶ・確かめる・振り返るを、一つの画面の流れにまとめられないか。そう考えて、仕様書と画面のデザインを先に固め、そこから作り始めました。
学ぶ:図解のスライドで1レッスン12分
1つのレッスンは12〜15分ほどです。要点を1枚の図にまとめたスライドを6枚ほどめくり、確認テストを解けば完了します。通勤中や昼休みでも区切りよく終えられる長さにしました。

スライドの図解は画像生成AIで作っていますが、そのまま載せることはしません。法律を扱うコースでは図の誤りを見つけて作り直したこともあります。作る速さはAIに、正しさの確認は人に、という分担です。
確かめる:本番と同じ形の模擬試験
確認テストに加えて、実際の試験と同じ問題数・制限時間・分野ごとの配分で出題する模擬試験を用意しました。問題数や時間は資格ごとに違うため、コースごとに設定できるようにしています。

結果の画面では、点数だけでなく分野ごとの正答率と苦手な項目を示します。間違えた問題だけをもう一度解き直すこともできます。
振り返る:学習時間は自動で記録
レッスンやテストの画面を操作している間だけ、学習時間を自動で記録します。画面を開いたまま放置した時間は数えません。操作が5分なければ記録を止める作りです。

また、今日まだ学んでいなくても、昨日まで続いていれば継続日数は途切れさせません。朝に開いて「0日」と表示されると、それだけで続ける気持ちが折れてしまうからです。
スマートフォンでも同じように使える
ブラウザで動くため、アプリのインストールは不要です。スマートフォンのホーム画面に追加すれば、アプリと同じように開けます。パソコンで途中まで進めたレッスンを、スマートフォンで続きから再開することもできます。

教える側の画面:教材を画面から育てられる
教材と問題は、すべて管理画面から追加・修正できます。プログラムに手を入れずに、教える側が中身を直していける作りにしました。

利用者ごとに、完了したレッスンの数、学習時間、最後に学んだ日、模擬試験の点数を一覧できます。問題は表計算ソフトで作ったものをCSVでまとめて取り込めるため、問題が数百問あっても一つずつ入力する必要はありません。
eラーニングを作成する前に決めておくこと
自社でeラーニングを作る場合、仕組みより先に決めておきたいことがあります。弊社が作りながら大切だと感じた点をまとめました。
▼作成前に決めておく5つのポイント

社内研修・ナレッジ共有に使う手順
まなびパスポートは資格の学習のために作りましたが、仕組みは社内の教育にそのまま使えます。業務マニュアルや社内のルールを「レッスン」に、理解の確認を「テスト」に置き換えるだけです。
こんな使い方ができます
- 新人研修:会社の基本、業務の流れ、よく使う用語を初日から順番に学んでもらう
- 業務マニュアルの定着:読むだけのマニュアルに確認テストを付け、どこが伝わっていないかを見る
- 資格取得の支援:会社として取らせたい資格を、模擬試験つきのコースにする
- コンプライアンス研修:全員に一度は学んでほしい内容を配り、誰が受けたかを確かめる
- ベテランの知識を残す:担当者の頭の中にある判断の勘どころを、図解と例題にして残す
導入から運用までの流れ
▼社内で使い始めるまでの5つの手順

正答率の低い問題は、多くの場合、問題ではなく教材の方に原因があります。テストの結果は、受講した人を評価するためだけでなく、教材を直すための材料として使うのがおすすめです。
よくある質問

市販のeラーニングサービスと自社開発は、何が違いますか?

市販のサービスは手軽に始められる一方、画面や機能は用意された形の中から選ぶことになります。自社で開発する場合は、画面、学ぶ順番、テストの形、記録する項目を自社の運用に合わせられます。教材とデータも手元に残ります。

動画がないとeラーニングにならないのでしょうか?

そんなことはありません。弊社の事例では、見返しやすさと作りやすさを重視して、動画ではなく図解のスライドと本文で学ぶ形にしました。内容に合わせて選べば大丈夫です。

教材づくりが一番大変だと聞きます。

その通りです。ただ、ゼロから書く必要はありません。今あるマニュアルや研修資料を10〜15分の単位に分け、要点を図にし、確認の問題を付ける、という順番で進めると形になりやすいです。

誰がどこまで学んだかを会社で確かめられますか?

弊社の事例では、管理画面で利用者ごとの完了したレッスン、学習時間、最後に学んだ日、模擬試験の点数を一覧できるようにしました。
まとめ
eラーニングを作成する方法は、市販のサービスを契約する、作成ツールで教材を作る、自社専用で開発する、の3つです。まずは市販のサービスで十分な場合も多い一方、自社の業務知識を自社の順番で確実に身につけてもらいたい場合は、自社専用で作る方が近道になることもあります。
弊社が自社開発したeラーニングシステムの画面と機能は、公式サイトの開発事例でもご紹介しています。社内研修やマニュアル教育をeラーニングにしたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。























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