生成AIを業務に取り入れたい。けれど、何から始めればよいのか、費用をどう工面すればよいのかが分からない。東京の中小企業で、そんな声を多くうかがいます。
実は東京都内の会社は、国の補助金に加えて、東京都独自の助成金や無料の相談窓口も使えます。うまく組み合わせれば、費用の負担を大きく減らせます。
この記事では次のことが分かります。
- 中小企業の生成AI導入はいまどこまで進んでいるか(公開調査の数字)
- 東京の中小企業が使える東京都と国の支援制度(2026年9月時点)
- 生成AIを導入する5つの手順
- 導入の前に決めておく社内のルール
私たちデジタルレクリムは、東京・板橋区でAIチャットボットやオーダーメイドのAIを作っている会社です。制度の内容は、各実施機関の公式ページで確かめたものを載せています。
中小企業の生成AI導入は、いまどこまで進んでいるか
まずは全体の状況です。2026年に公表された2つの調査から、主な数字を抜き出しました。
| 調査 | 主な結果 |
|---|---|
| 中小企業基盤整備機構 「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月公表・1,647社) | AIを導入済みが20.4%、導入を検討中が18.6%。導入済みの企業の82.6%が生成AIを使っている。公的支援に求めるのは「導入費用などの助成」が77.9%で最多 |
| 東京商工リサーチ 「生成AIに関するアンケート調査」(2026年4月公表・6,327社) | 中小企業で、会社や部門として生成AIの活用を推進しているのは32.3%(前回23.4%)。大企業は59.1% |
中小企業でも3社に1社ほどが動き始めていますが、大企業との差はまだ大きいのが実情です。そして、多くの会社が費用の助成を求めています。次の章で、東京の会社が使える制度を紹介します。
東京の中小企業が使える支援制度
2026年9月時点で、東京都内の中小企業が生成AIの導入に使える主な制度です。受付期間は変わりやすいため、申し込む前に必ず各制度の公式ページで最新の情報を確かめてください。
東京都の制度
| 制度 | 内容 | 補助・助成 | 2026年の受付 |
|---|---|---|---|
| DX推進トータルサポート事業 (東京都・東京都中小企業振興公社) | アドバイザーの派遣と助成金を組み合わせた、2026年度からの事業。AIの活用に特化した「AI活用コース」がある | AI活用コースは上限2,000万円(大幅な賃上げで3,000万円)、原則3分の2以内 | AI活用コースは5月8日で締め切り済み。生産性向上コースは第2回が10月ごろの予定 |
| 中小企業デジタル導入促進補助事業 (東京都中小企業振興公社) | 業務の効率化などに役立つデジタルツールの導入費用を補助する | 2分の1以内(小規模企業者などは3分の2以内)、上限150万円 | 第1回は終了。第2回は「9月ごろ受付予定」と案内されている |
| 中小企業デジタル化ファーストステップ支援事業 (東京都) | 専門家が伴走して、デジタル化の最初の一歩を手伝う。機器を無料で試せるコースもある | 補助金ではなく、無料の伴走支援 | 実施中 |
| ワンストップ総合相談窓口 (東京都中小企業振興公社) | ITやAIの活用について、専門家に無料で相談できる | 無料の相談 | 実施中 |
国の制度
| 制度 | 内容 | 補助 | 2026年の受付 |
|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金2026 (旧IT導入補助金) | 登録されたITツール・AIツールの導入費用を補助する | 通常枠は2分の1以内(条件を満たせば3分の2以内)、5万〜450万円 | 通常枠などの直近の締切は9月29日。以降の日程は未公表 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 (旧ものづくり補助金などを一本化) | 新しい製品・サービスの開発や、新しい事業への進出を支援する | 枠によって最大3,500万〜9,000万円 | 公募要領で最新の日程を確認 |
生成AIのツールを入れるだけなら、まずはデジタル化・AI導入補助金か、東京都のデジタル導入促進補助事業が候補になります。どちらも対象になるのは条件を満たすツールや経費に限られるため、導入を頼む会社に対象かどうかを確かめてください。補助金の詳しい内容はデジタル化・AI導入補助金2026の解説で紹介しています。
補助金を使うときの注意
- 交付が決まる前に契約・支払いをすると、補助の対象外になります
- 国の補助金の申請には、事業者のアカウント(gBizIDプライム)が必要で、取得に1〜2週間かかることがあります
- 補助金は後払いです。いったんは全額を自社で支払う必要があります
生成AIを導入する5つの手順
制度を使う・使わないにかかわらず、次の順番で進めると失敗しにくくなります。
中でも大切なのは、最初に1つの業務に絞ることです。「全社でAIを使えるようにする」から始めると、誰が何に使えばよいのかがはっきりせず、結局使われなくなりがちです。「問い合わせへの返信の下書き」「会議の議事録づくり」など、効果を数字で確かめやすい業務から始めてください。
導入にかかる費用の目安はAI導入の費用相場で、依頼先の選び方はAI開発会社を東京で探すならで解説しています。
この手順を自社だけで進めるのが難しい場合は、弊社のAIコンサルティングのページをご覧ください。業務の洗い出しから、ツールを作って現場に定着させるところまで同じ担当者が受け持ちます。
導入の前に決めておく社内のルール
生成AIは便利な反面、使い方を誤ると情報の漏えいや、誤った情報の発信につながります。使い始める前に、最低限次のことを社内で決めておいてください。
ルールづくりの参考になる資料も公開されています。東京都は、都の業務で生成AIを使うためのガイドラインと利用の手引きを公開しています。都の職員向けに作られたものですが、入力してはいけない情報の考え方や、出てきた答えの確かめ方などは、会社のルールを作るときにも役立ちます。
よくある質問

Q1. 東京都の補助金と国の補助金は、両方使えますか?

A1. 同じ経費に両方の補助を受けることは、原則としてできません。別々の経費であれば使える場合があります。それぞれの制度の公募要領で、ほかの補助金との関係を確かめてください。

Q2. 生成AIの導入には、いくらくらいかかりますか?

A2. 既製のサービスを契約して使うだけなら、1人あたり月数千円からです。自社の資料を読ませて答えさせるAIやチャットボットを作る場合は、数十万円から数百万円になることが一般的です。詳しくはAI導入の費用相場をご覧ください。

Q3. 社員が少ない会社でも、導入する意味はありますか?

A3. あります。人手が少ない会社ほど、1人あたりの作業時間を減らす効果が大きく出ます。まずは問い合わせへの返信の下書きや議事録づくりなど、毎日発生する作業から試すのがおすすめです。

Q4. 無料で相談できるところはありますか?

A4. あります。東京都中小企業振興公社のワンストップ総合相談窓口では、ITやAIの活用について専門家に無料で相談できます。東京都のデジタル化ファーストステップ支援事業でも、専門家の伴走支援を無料で受けられます。

Q5. 生成AIに社内の情報を入力しても大丈夫ですか?

A5. 使う道具と契約の内容によります。入力した内容がAIの学習に使われない法人向けの契約もあります。どの道具で、どの情報まで入力してよいかを、使い始める前に社内で決めておいてください。

Q6. 補助金の申請は自分でできますか?

A6. 申請の手続き自体は自社で行います。デジタル化・AI導入補助金の場合は、登録された支援事業者と一緒に申請を進める仕組みです。導入を頼む会社が、申請の手伝いに対応しているかを確かめてください。
まとめ
東京で生成AIの導入を進めるときに、大切なところをもう一度整理します。
- 中小企業でも3社に1社ほどが生成AIの活用を推進している。一方で大企業との差はまだ大きい
- 東京の会社は、国の補助金に加えて東京都の助成・無料の相談窓口も使える
- 受付期間は変わりやすい。申し込む前に公式ページで最新の日程を確かめる
- 補助金は交付が決まる前に契約すると対象外。後払いであることにも注意
- 導入は1つの業務に絞って始め、効果を数字で確かめてから広げる
- 使い始める前に、入力してはいけない情報と、答えの確かめ方を社内で決める
私たちデジタルレクリムは、東京・板橋区で、AIチャットボットやオーダーメイドのAIの導入をお手伝いしています。どの業務から始めればよいか、補助金の対象になるか、といった段階からのご相談も歓迎します。
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